大会長挨拶

 ご挨拶


大会長 小笠原健文
町田市民病院口腔外科
歯科・歯科口腔外科部長
 会員の皆様におかれましては,COVID-19感染拡大が一向におさまらないなか,診療にご苦労されていることとご推察いたします.
 この度第30回日本有病者歯科医療学会学術大会を2021年7月2日(金)~ 4日(日)の日程で開催いたします.まず会員の皆様には,会期および会場を変更いたしましたこと,この場をお借りしてお詫び申し上げます.
 私にとりまして,この学術大会の大会長を拝命いたしましたことは感慨深いものがあります.と申しますのは,町田市民病院に入局して間もなく,第1回学術大会の開催にかかわったからです. 当口腔外科の部長でおられました白川正順前日本有病者歯科医療学会理事長が大会長でした.白川先生のご指導のもと非常に忙しく開催準備を進め,盛会裏に終了して安堵したことが昨日のように思い出されます.以来30年経過し,今井裕現理事長のもと,会員数も増加し,充実した学会となりました.
 さて次期学術大会は第30回記念大会とし,「これまでの30年,これからの30年」をテーマといたしました.‘有病者’という言葉はこの30年で広く認知され,これらの患者に対する歯科治療も歯科医学界に十分行き届いていると感じます.今後さらに高齢者,有病者が増加し,歯科治療も専門性,多様性が必要となってくるはずです.その中で本学会は,歯科大学,歯学部,病院歯科,麻酔科,一般臨床医を繋ぐ存在としてますます意義をもつと確信しています.
 特別講演として,河野太郎行政改革担当大臣にご講演をいただきます.河野大臣には生体肝移植のご経験があり,貴重なお話を伺えると存じます.また,神奈川歯科大学副学長,環境病理学教授槻木恵一先生に新型コロナウイルスと歯周病との関係についてご講演いただきます.人体の感染防御機能に基づいて,病院歯科や一般臨床医が臨床の場でできることなどお話いただけるとのことです.その他にも教育講演,シンポジウム,学術教育講演,歯科衛生士セミナー,一般口演など予定しています.
 さらに今回は第30回記念大会の企画としまして,前理事長白川正順先生に特別記念講演として当学会の30年を振り返っていただきます.そして,有病者歯科医療学会の在り方とその方向性についてディスカッションできる場を設ける予定です.昨今の専門医制度の課題も含め,歯科の専門性から有病者歯科医療学会を考えていきたいと思います.
 学術大会では例年約1,000名もの参加者が集い,多くの発表と活発な討論が行われています.今学術大会は当学会では初めての試みとなるHybrid形式となりますが,多くの先生方のご参加を期待しております.
 末筆となりましたが,会員の皆様のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます.