理事長挨拶

 「故きを温ねて新しきを知る」

理事長 今井 裕
一般社団法人
日本有病者歯科医療学会

 第30回(一社)日本有病者歯科医療学会(以下,有病者歯科医療学会)学術大会が町田市民病院歯科・歯科口腔外科部長 小笠原健文先生の下で行われる運びとなりました.第1回学術大会を町田市民病院口腔外科部長 白川正順先生(当時)が担当されて以来,当学会の創立30周年という節目に再び同施設で開催されますことは感慨深いものを感じます.
 ご承知のとおり,昨年来のCOVID-19感染拡大は日常生活を崩壊し,われわれアカデミアの活動も多くの制限が課せられ,当学会におきましても昨年の学術大会は通常通りの開催ができず,紙上開催を余儀なくされたことは記憶に新しいことと存じます.そのような中,学会開催の準備にあたってこられました小笠原健文先生はじめ関係各位のご苦労は大変であったと推察しておりますが,当学会では初めての試みとして,従来の集合型開催とWeb開催を併用したハイブリッド方式で開催するという決断されたことに敬意を払うとともに,すばらしい企画とそうそうたる講師の先生方をお招き戴きましたことに,学会を代表し心から感謝を申し上げます.
 さて,当学会は人口動態に伴う疾病構造の変化を学術的に探究し,医学的に何らかの配慮が必要な歯科患者に医療関連職種との連携の下安全で適切な歯科医療を提供し,国民の健康に貢献することを理念とし発足しました.先達の先見の明に只々驚くばかりで,現在,急速に進行している社会構造の変化を勘案すると,30年という時空を経て今まさに時代が当学会の理念に追いついてきた,つまり,有病者歯科医療そのものが社会に求められている時代になった,と申し上げても過言ではないと存じます.
 大会長は,このような時空を経て開催される本学術大会のテーマを「これまでの30 年,これからの30 年」と掲げられ,当学会のこれまでを振り返り,さらに今後の歯科医学・歯科医療のなかでどうあるべきかを協議し,更には歯科専門医制度の課題も含め,歯科の専門性から有病者歯科医療学会を考えたいと結んでおられます.つまり,本学術大会は社会的要請でもある近未来に向けた歯科医療を展望するもので,この課題に対し会員ひとりひとりが思惟すべきであると考えます.また,特別講演講師として,河野太郎行政改革担当大臣(新型コロナウイルスワクチン接種推進担当大臣,他)にご登壇賜り,また,神奈川歯科大学副学長,環境病理学教授槻木恵一先生に新型コロナウイルスと歯周病との関係についてご講演いただくなど,極めてタイムリーな企画満載であり,会員へ益するもの大であると期待するものであります.なお,今回の学術大会は,学会創設30年という節目の学術大会のため,「有病者歯科医療学会設立30周年記念学術大会」と冠しました.是非その意味をご理解賜り,一人でも多くの先生方に参加していただき,学びと共にお祝いしていただければ幸いです.
 末尾にあたりまして,第30回日本有病者歯科医療学会学術大会が有病者歯科医療の専門性を高め,会員の先生方にとり少しでもお役に立つとともに,さらなる歯科医療の向上と国民の健康に寄与する意味におきましても成功裏に行われますよう祈念申し上げ,ご挨拶とさせていただきます.